戦前礼法――『心得て居らねばならぬ社交礼法』より

別府熊吉 (著)
大正上流階級の社交礼法書を、現代語で読みやすく。
本書は、別府熊吉著・吉田要作校閲『心得て居らねばならぬ社交礼法』を底本とし、現代の読者に向けて読みやすく訳した一冊です。
原著は、訪問、名刺、紹介、レセプション、舞踏会、午餐会、晩餐会、案内状、封筒の書き方、席次、勲章の佩用、宮中行事、服装、冠婚葬祭など、戦前日本の社交礼法を幅広く扱った実用書です。
今日の私たちが、ここに記された作法をそのまま実践する機会は多くありません。華族制度も宮中席次も、当時の外交儀礼も、すでに過去のものとなりました。しかし本書には、単なる古いマナー本を超えた面白さがあります。
戦前の人々は、どのように人と会い、名刺を出し、客を迎え、席に着き、服装を整え、相手への敬意を形にしていたのか。そこには、当時の上流社会・官界・外交界・宮中儀礼の空気が、きわめて具体的に残されています。
作法の細部は時代とともに変わります。けれども、礼法や社交の本質までが古びるわけではありません。相手との距離を測ること、場にふさわしい振る舞いを選ぶこと、敬意を言葉や姿勢や手順によって表すこと。これらは、現代の人間関係においても変わらず大切なものです。
本書は、戦前日本の社交と礼法を知るための一冊であると同時に、現代において礼儀とは何かを考えるための手がかりでもあります。
序
第一編 訪問の礼儀
第二編 名刺
第三編 紹介
第四編 レセプション――アフタヌーン・アットホーム・園遊会・夜会など
第五編 舞踏会
第六編 午餐会
第七編 晩餐会
第八編 銀婚式と金婚式
第九編 案内状の受け方と断り方
第十編 皇族・外交官に対する敬称の書き方
第十一編 封筒の書き方
第十二編 席次
第十三編 勲章の佩用
第十四編 宮中の年中行事――新年拝賀・参賀など
第十五編 天機奉伺と御礼言上の仕方
第十六編 宮中の服装
第十七編 贈り物と答礼・冠婚葬祭
第十八編 服忌
第十九編 雑録――集会の心得・国旗・一般服装など
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