コモン・センス: 新訳版・解説つき

トマス・ペイン (著), 蜜蜂書房編集部 (翻訳)

アメリカ独立を動かした一冊。

一七七六年、アメリカ独立前夜。イギリスとの和解を求める意見がなお根強く残るなか、トマス・ペインは、植民地がイギリスから離れて独立国家を築くべきだと訴えた。

『コモン・センス』は、国王や世襲制度の正当性を問い、政府は人民の自由と安全を守るために存在すると説く。難解な学術用語ではなく、職人や農民にも伝わる平明な言葉によって、独立の必要性を論じた政治パンフレットである。

ペインは、社会と政府を区別し、政府を人間の悪徳から生じた「必要悪」と捉える。さらに、イギリス国制の矛盾、君主制と世襲継承の不合理、イギリスとの和解がもたらす危険を論じ、アメリカが独立国家として存立できる人口、資源、海軍力、政治制度の構想を示した。

本書では、『コモン・センス』増補版を新たに和訳した。序文と本文四章に加え、国王演説を批判する「付録」、クエーカー指導者層の政治声明に反論した書簡まで、全文を収録している。

巻頭には、トマス・ペインの生涯、政治思想と宗教思想、人物像、『コモン・センス』の成立事情、各章の論理、文章の特徴、歴史的影響、現代における読み方を扱った解説を収めた。

国家は誰のために存在するのか。
伝統や世襲は、支配の根拠となり得るのか。
人民は、自らの政府を選び直すことができるのか。

アメリカ独立期の歴史を知るためだけでなく、国家、権力、自由、民主政治について考えるための一冊である。


【本書の構成】

概説
トマス・ペインの生涯
トマス・ペインの思想と人物
『コモン・センス』について
凡例
コモン・センス
 序文
 第一章 政府一般の起源と目的、およびイギリス国制についての簡潔な考察
 第二章 君主制および世襲継承について
 第三章 アメリカの現状についての考察
 第四章 アメリカの現在の能力、および若干の雑考
 付録
 クエーカーと呼ばれる人々の宗教協会の代表者に宛てて
主要参考文献

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