老子: 現代語訳版・解説つき

老子 (著), 蜜蜂書房編集部 (編集) 

競争時代にこそ、「弱さ」の思想を読む。

古代中国思想の代表的古典『老子』を、現代の読者に向けて読みやすく訳した一冊。

『老子』は、全八十一章、五千字余りからなる短い書物でありながら、宇宙の根源、政治の理想、人間の処世、文明への批判、言語への不信、そして「弱さ」の力を深く語った古典である。

「道」「徳」「無為」「自然」「柔弱」「不争」などの言葉は、今日でも広く知られている。しかし『老子』は、単なる癒やしの書でも、静かに生きるためだけの処世訓でもない。そこには、過剰な作為を戒め、強さに酔う文明を疑い、権力と欲望の肥大化を見つめる鋭い思想がある。

本書では、漢文原文・書き下し文を併記せず、現代語訳本文を中心に構成した。古典としての格調を保ちながら、初めて読む読者にも通読しやすい文章を目指している。

【本書の構成】

巻頭解説では、老子という人物と『老子』の成立、中国・日本における受容、そして思想の核心である無為・柔弱・反転の論理を概説した。

本文では、『老子』全八十一章を現代語訳で収録。難解な漢文訓読調を避けつつ、原文の思想語と論理の流れをできるかぎり保った。

強さ、多さ、速さ、所有、競争が価値とされる現代において、『老子』の言葉は、いまなお静かに問いかけてくる。

古典を、いまの言葉で読む。

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