翁問答: 現代語訳版・解説つき

中江藤樹 (著), 蜜蜂書房編集部 (翻訳) 

【内容紹介】

江戸時代初期の儒学者・中江藤樹が、人間はいかに心を正し、道を日々の生活の中で実践すべきかを、先生と弟子・体充との問答を通して説いた代表作『翁問答』。

本書の中心にある「孝徳」は、単なる親孝行にとどまるものではない。父子・君臣・夫婦・兄弟・朋友という人間関係を貫き、学問、政治、仕事、礼儀、勇気、武士の道、そして人間の安楽にまで及ぶ、根本的な実践原理として説かれている。

中江藤樹は、書物の字句を暗記し、知識を誇るだけの学問を「俗学」として退けた。真の学問とは、自らの心を正し、知っていることを実際の行いに移し、日常生活の中で人格を磨く「心学」であると説く。

また本書では、決まりきった形式に盲目的に従うのではなく、時、場所、立場に応じて正しい道を実践する「権」の思想も論じられる。古典的な儒学書でありながら、仕事、人間関係、教育、政治、自己修養を考えるうえで、現在にも通じる問題が数多く提示されている。

本版では、『翁問答』の問答形式と論旨を保ちながら、文語体、歴史的仮名遣い、難解な言い回しを、現代の読者が通読しやすい日本語へ改めた。「孝徳」「愛敬」「良知」「五倫」「心学」「慎独」「権」など、作品の思想的骨格をなす重要語は可能な限り維持している。

巻頭には、中江藤樹の生涯と人物像、『翁問答』の成立、孝徳と五倫、心学、武士の道、権の思想などを解説する概説を収録。日本思想、儒学、陽明学に初めて触れる読者にも読み進めやすい、現代語訳版・解説つきの一冊である。

【構成】
概説
中江藤樹の生涯
中江藤樹の人物像
『翁問答』について
凡例
翁問答
 翁問答自序
 上巻之本
 上巻之末
 下巻之本
 下巻之末
主要参考文献

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