立正安国論 他四篇: 現代語訳版・解説つき

国家を諫め、迫害の意味を問い、末法の時代に歩むべき仏法を示す。
立正安国論から開目抄・観心本尊抄・撰時抄・報恩抄まで――日蓮の代表的五著「五大部」を、解説つき現代語訳で一冊に!
災害、飢饉、疫病に揺れる鎌倉の世を前に、日蓮はなぜ国家へ直接諫言したのか。迫害と流罪を受けながら、自らの使命をどのように問い、法華経の行者としての確信へ至ったのか。そして末法という時代に、いかなる仏法を後世へ残そうとしたのか。
本書は、日蓮の代表的著作のうち「五大部」と称される『立正安国論』『開目抄』『観心本尊抄』『撰時抄』『報恩抄』の全五篇を収録した現代語訳版である。
『立正安国論』では、天変地異や飢饉、疫病に苦しむ社会を背景として、国家と仏法の関係を主人と客との問答によって論じる。
佐渡流罪の地で著された『開目抄』では、法華経を弘めながら大難を受ける自らの生涯と経文とを照らし合わせ、「法華経の行者」としての自己認識を徹底して問い直す。続く『観心本尊抄』では、一念三千、十界互具、末法、本門、本尊といった日蓮教学の核心へ踏み込んでいく。
身延期の『撰時抄』では、インド、中国、日本へと連なる仏教史を見渡しながら、仏法を弘めるためには何より「時」を知らなければならないと説く。そして『報恩抄』では、師・道善房への報恩を出発点として、自らが諸宗を学び、法華経を選び取り、その教えを弘めてきた意味を総括する。
五篇を一冊で読むことによって、国家への諫言から始まり、迫害と流罪を経て自己の使命を問い、末法における教えを明らかにし、最後には師恩への報いへと至る、日蓮思想の形成と展開を一つの流れとして追うことができる。
巻頭には「日蓮の生涯」「日蓮の思想」「『五大部』について」の三篇の解説を収録。人物と思想、五篇が生まれた歴史的背景を理解したうえで本文へ進める構成とした。
八百年近くにわたり、日本の宗教と思想に巨大な影響を与え続けてきた日蓮。その思想を、後世の評価を通してではなく、代表的著作そのものから読むための一冊。
【構成】
概説
日蓮の生涯
日蓮の思想
『五大部』について
凡例
立正安国論
開目抄
観心本尊抄
撰時抄
報恩抄
主要参考文献
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