抱朴子: 現代語訳版・解説つき 

葛洪 (著), 蜜蜂書房編集部 (翻訳) 

神仙・錬丹・政治――中国神仙思想の到達点を一冊に。

仙人は本当に存在するのか。人間の寿命は延ばすことができるのか。金丹、仙薬、養生、守一、胎息、符術――四世紀中国の思想家・葛洪は、神仙への道を具体的な方法として論じた。

『抱朴子』は、葛洪の代表作であり、内篇二十巻・外篇五十巻、全七十巻から成る中国思想史上の重要古典である。

内篇では、神仙の存在と不死の可能性をめぐる議論を中心に、金丹の製法、仙薬、身体修練、入山法、護身のための符などが詳しく語られる。葛洪にとって長生は単なる願望ではなく、薬物、身体、自然、技術を通して追究すべき実践的課題であった。

一方、外篇では視野が大きく社会へ広がる。政治、人材登用、官僚制度、刑罰、教育、名声、交際、飲酒、文章、人物評価などを論じ、西晋末から東晋初頭の社会と知識人を鋭く批評する。神仙思想家として知られる葛洪が、現実政治と人間社会を深く観察した思想家でもあったことが明らかになる。

本書では、内篇二十巻・外篇五十巻の全七十巻を、葛洪の論理、比喩、列挙、断定の調子を保ちながら現代語訳した。

さらに、葛洪の生涯、思想、『抱朴子』という書物の成立と意義を解説。内篇巻十七「登渉」に伝わる符図についても四部叢刊影印と照合し、原典に基づく十八点を収録した。

神仙、錬丹、不老不死という異世界にも似た思想から、人材論、政治論、社会批評まで。四世紀中国を生きた一人の知識人が考えた「生命」と「社会」の全貌を現代語で読む。

【構成】

解説
第一部 葛洪の生涯
第二部 葛洪の思想
第三部 『抱朴子』について

凡例

『抱朴子』

内篇
序
巻一 暢玄
巻二 論仙
巻三 対俗
巻四 金丹
巻五 至理
巻六 微旨
巻七 塞難
巻八 釈滞
巻九 道意
巻十 明本
巻十一 仙薬
巻十二 弁問
巻十三 極言
巻十四 勤求
巻十五 雑応
巻十六 黄白
巻十七 登渉
巻十八 地真
巻十九 遐覧
巻二十 袪惑

外篇
巻一 嘉遁
巻二 逸民
巻三 勖学
巻四 崇教
巻五 君道
巻六 臣節
巻七 良規
巻八 時難
巻九 官理
巻十 務正
巻十一 貴賢
巻十二 任能
巻十三 欽士
巻十四 用刑
巻十五 審挙
巻十六 交際
巻十七 備闕
巻十八 擢才
巻十九 任命
巻二十 名実
巻二十一 清鑑
巻二十二 行品
巻二十三 弭訟
巻二十四 酒誡
巻二十五 疾謬
巻二十六 譏惑
巻二十七 刺驕
巻二十八 百里
巻二十九 接疏
巻三十 鈞世
巻三十一 省煩
巻三十二 尚博
巻三十三 漢過
巻三十四 呉失
巻三十五 守塉
巻三十六 安貧
巻三十七 仁明
巻三十八 博喩
巻三十九 広譬
巻四十 辞義
巻四十一 循本
巻四十二 応嘲
巻四十三 喩蔽
巻四十四 百家
巻四十五 文行
巻四十六 正郭
巻四十七 弾禰
巻四十八 詰鮑
巻四十九 知止・窮達・重言
巻五十 自叙

主要参考文献

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