革命軍: 現代語訳版・解説つき

辛亥革命の狼煙――十八歳の青年が清朝へ叩きつけた革命宣言。
「革命してまた革命せよ。革命しようとしまいと、革命は来る。」
一九〇三年、清朝末期の上海で刊行された『革命軍』。著者の鄒容は、自らを「革命軍中馬前卒」――革命軍の先頭を走る一兵卒――と称し、清朝打倒、民族の独立、自由と平等、そして「中華共和国」の建設を激烈な文章で訴えた。
日清戦争の敗北、列強による中国分割への危機感、義和団事件、清朝改革の挫折。中国の存亡が問われる時代に、日本へ留学した若き鄒容は、ルソー、モンテスキュー、ミル、アメリカ独立革命、フランス革命などの思想と歴史に触れた。そこから彼が導き出した答えが「革命」であった。
「革命は、進化の普遍的な法則である。革命は、世界に通じる公理である。」
鄒容の革命論は、王朝を倒すという一点に尽きない。皇帝に従う「臣民」を、自ら政治を担う「国民」へ変え、専制政治を共和国へ変え、中国を独立した近代国家として再建する。そのためには政治制度だけでなく、人々の中に染みついた「奴隷根性」まで変えなければならないと説く。
文章は理論書の枠を飛び越え、演説、檄文、宣言へと変貌する。「革命よ! 革命よ!」「わが中国よ、革命せよ!」と読者へ直接呼びかけ、時には激しい罵倒と暴力的な言葉さえ用いながら、革命への参加を迫ってゆく。
刊行後、『革命軍』は清朝当局から危険な政治文書として警戒され、著者鄒容は蘇報事件によって投獄された。鄒容は辛亥革命を見ることなく二十歳で獄死する。しかし本書はその後も繰り返し翻印され、中国本土から日本、香港、南洋、アメリカへと広がり、清末革命派を代表する政治文書の一つとなった。
本書では『革命軍』全七章に、章炳麟による序文と鄒容自身の自序を加え、原文の激情、反復、対句、強い断定を生かしながら、今日の読者にも通読しやすい現代日本語へ訳した。さらに鄒容の生涯、思想的背景、『革命軍』の成立と歴史的影響を扱う解説を収録する。
【構成】
解説
第一部 鄒容の生涯
第二部 鄒容の思想
第三部 『革命軍』について
凡例
章炳麟 『革命軍』序
鄒容 自序
第一章 緒論
第二章 革命の原因
第三章 革命の教育
第四章 革命には人種を明確に区別することが必要である
第五章 革命にはまず奴隷根性を取り去ることが必要である
第六章 革命独立の大義
第七章 結論
主要参考文献
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