伝習録: 現代語訳版・解説付き

「実践哲学の王道」陽明学の原点が、充実の解説を付した現代語訳で蘇る!
明代中国を代表する思想家・王陽明。
その教えを門人たちが記録した『伝習録』は、「心即理」「知行合一」「良知」「致良知」など、陽明学の核心を伝える不朽の古典である。
王陽明は、ただ書斎で思索した学者ではなかった。
宦官の専横に抗議して投獄され、辺境の龍場へ流される。地方官として社会の再建にあたり、軍を率いて反乱を鎮圧し、功績を立てながら宮廷では讒言と疑惑にさらされる。そうした生死と政治の現場を通して、王陽明は、道理は心の外にあるのではなく、人の心には本来、善悪を知る力が備わっていると確信した。
真に知ることは、そのまま行うことである。
行わないのなら、まだ本当には知っていない。
王陽明の思想は、知識を蓄えるだけの学問を退け、自らの心を省み、現実の事柄の中で判断し、行動することを求める。その言葉は、知識と実践が分断され、自らの判断に確信を持ちにくい現代においても、なお鋭い問いを投げかけている。
本書は、『伝習録』上巻・中巻・下巻を一冊に収録した、解説つき現代語訳版である。
門人たちとの短い問答から、朱子学との相違を詳しく論じた長大な書簡、児童教育と地域教化についての文章、晩年の致良知と四句教をめぐる議論までを収録。原文の問答順と論証の流れを保ちながら、今日の読者が通読できる自然で落ち着いた現代日本語へ改めた。
巻頭には、「王陽明の生涯」「王陽明の思想」「『伝習録』について」の三篇の解説を収録。
自らの心を、いかに現実の行動へ結びつけるか。
王陽明の生涯と言葉を通して、「生きた学問」の意味を問う一冊。
【本書の構成】
概説
一 王陽明の生涯
二 王陽明の思想
三 『伝習録』について
凡例
伝習録
伝習録上
徐愛序
徐愛録
徐愛跋
陸澄録
薛侃録
伝習録中
銭徳洪序
顧東橋に答える書
周道通に答える書
陸原静に答える書
また
銭徳洪跋
欧陽崇一に答える
羅整庵少宰に答える書
聶文蔚に答える書
二
児童教育の大意を、教読の劉伯頌らへ示す
教約
伝習録下
門人・陳九川録
以下、門人・黄直録
以下、門人・黄修易録
以下、門人・黄省曾録
此後、黄以方録
銭徳洪跋
主要参考文献
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