都鄙問答: 現代語訳版・解説つき 

石田梅岩 (著), 蜜蜂書房編集部 (翻訳)

商人にも、聖人の道がある。

利益を得ることと、正しく生きることは両立するのか。

江戸時代中期、京都の商家で長く働いた石田梅岩は、儒学を武士や専門の学者だけのものとせず、商人をはじめとする人々の日常生活へと開いていった。

元文四年(一七三九年)に刊行された『都鄙問答』は、その梅岩を代表する著作である。

商人が売買によって得る利益を、武士が受け取る俸禄と同じく職分に伴う正当なものとして捉え、家業に励むことと人としての道を一つにつなぐ。その一方で、性・理・心・天命といった問題を深く論じ、儒学のみならず仏教や神道にも目を向けながら、人間はいかにして自らの心を知り、日々の生活の中で道を実践するのかを問い続ける。

本書に登場するのは、高遠な思想上の問題ばかりではない。商売や利益、借金や倹約、親子や主従、奉公や信仰といった身近な問題から問いを起こし、そこから人間の心や社会における職分、さらには天地の理へと議論を広げてゆくところに、『都鄙問答』ならではの特色がある。

梅岩の教えは、のちに石門心学として各地へ広がり、日本近世における庶民思想と商業倫理の形成に大きな足跡を残した。

本書では『都鄙問答』全四巻を、原文の論旨、問答の流れ、具体例や比喩をできる限り保ちながら、現代の読者が通読できる日本語へ改めた。また巻頭には、石田梅岩の生涯、その思想的背景、『都鄙問答』の成立と歴史的意義を扱う解説を収録している。

【構成】

解説

石田梅岩の生涯
石田梅岩の思想
『都鄙問答』について

凡例

都鄙問答

巻之一
巻之二
巻之三
巻之四
主要参考文献

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