正法眼蔵随聞記: 現代語訳版・解説つき

道元 (著), 懐奘 (編集), 蜜蜂書房編集部 (翻訳) 

『正法眼蔵』だけでは、道元は見えない。
弟子・懐奘が書き留めた、僧堂で「語る道元」の記録。


『正法眼蔵随聞記』は、道元が深草の興聖寺で弟子たちに語った説示を、門弟・懐奘が筆録した全六巻の法語集である。

自ら文章を練り上げた『正法眼蔵』に対し、『随聞記』に残されているのは、弟子の問いに答え、修行僧を諭し、自身の経験や中国禅僧の逸話、公案を交えながら、その場で仏道を説く生きた道元の言葉である。

名利や我執をどう離れるのか。なぜ坐禅を修行の根本とするのか。衣食や病、戒、師弟関係、日々の務めをどのように仏道として生きるのか。ここでは道元の思想が、僧堂で生じる具体的な問題と結びつきながら語られている。

本書では、『正法眼蔵随聞記』全六巻・百三十八則を、原文の論理、問答、比喩、反復を尊重しながら現代語訳した。

巻頭には三部構成の解説を収録。第一部「道元の生涯」では、その出生から入宋、如浄との参学、興聖寺・永平寺の建立までをたどる。第二部「道元の思想」では、修行と悟り、自己、身体、日常生活、時間をめぐる思想を取り上げる。第三部「『正法眼蔵』と『正法眼蔵随聞記』」では、両書の成立と性格、懐奘による筆録、後世への伝承を解説した。


難解な思想家として知られる道元が、実際の弟子たちを前に何を問い、何を戒め、どのように修行を説いていたのか。

思想としての道元から、師として語る道元へ。
八百年を越えて伝えられたその言葉を、現代語で読む。


【構成】

解説

第一部 道元の生涯
出家と比叡山
建仁寺から入宋へ
如浄との参学
興聖寺から永平寺へ

第二部 道元の思想
天台教学と宋代禅
修行と悟り
自己を忘れる
身体と日常生活
時間と存在

第三部 『正法眼蔵』と『正法眼蔵随聞記』
『正法眼蔵』の成立
『正法眼蔵』の文章
『正法眼蔵随聞記』の成立
二つの書物に残った道元
伝承と後世の受容

凡例

『正法眼蔵随聞記』
巻一
巻二
巻三
巻四
巻五
巻六

公案補注

主要参考文献

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