詩経: 現代語訳版・解説つき

蜜蜂書房編集部 (著)

山川草木に人の心を聴く、中国最古の詩集。三千年の声。
全三百五篇を新たに現代語訳。原文・書き下し文・解説を収録。


『詩経』は、中国に伝わる最古の詩歌集であり、後に儒学の五経の一つとして二千年以上にわたり読み継がれてきた古典である。
だがその中に響いているのは、決して宮廷や経学の言葉だけではない。
水辺で鳴く鳥から恋する女性を思う《関雎》、嫁ぐ娘を桃の花に重ねる《桃夭》、遠くへ出た人を待つ歌、兵役の苦しみ、農作業、宴、祖先への祭祀、王への讃歌、政治への憂い――そこには古代中国を生きた人々の生活と感情が、驚くほど生々しい姿で残されている。

風が吹き、鳥が鳴き、草木が茂る。その自然の情景から人の心へ入り、反復する言葉の中で思いを深めてゆくことが、『詩経』の大きな魅力である。

本書は『詩経』全三百五篇を収録し、原文の各句に書き下し文を対応させ、その後に自然な現代語訳を置いた。古い言葉の響きを確かめながら、意味も途切れず追える構成としている。

現代語訳では原詩の情景、論理の順序、時間の流れ、反復を尊重し、今日の日本語として読み通せる表現へ整えた。また、主語や人物関係、祭祀・制度語など解釈を要する箇所では、毛伝・鄭箋・孔穎達『毛詩正義』を主要な基準とし、朱熹『詩集伝』なども参照した。
巻頭には、『詩経』が歌から経典へと形づくられた歴史、「風・雅・頌」の構成、反復による章の展開、「賦・比・興」の読み方、語り手や人物関係を捉える方法を解説する。

古代中国の文学として読む人にも、儒学・中国思想の原典として読む人にも、原文へ初めて触れる人にも使える一冊である。

【構成】

解説
第一部 『詩経』について
・歌から経典へ
・風・雅・頌――三百五篇の構成
・経典として読まれた『詩経』

第二部 『詩経』の読み方
・一篇をどう読むか――章と反復
・賦・比・興――情景と言葉の働き
・誰の声か――人と場面を捉える

凡例

国風
・周南
・召南
・邶風
・鄘風
・衛風
・王風
・鄭風
・斉風
・魏風
・唐風
・秦風
・陳風
・檜風
・曹風
・豳風

小雅
・鹿鳴之什
・南有嘉魚之什
・鴻雁之什
・節南山之什
・谷風之什
・甫田之什
・魚藻之什

大雅
・文王之什
・生民之什
・蕩之什

周頌
・清廟之什
・臣工之什
・閔予小子之什

魯頌
・駉之什

商頌

主要参考文献

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