留魂録・士規七則: 現代語訳版・解説つき

・『士規七則』『留魂録』の全文を現代語訳
・吉田松陰の生涯、人物像、思想、両作品の成立背景を解説
「志を立て、交わる友を選び、書を読む。」
安政二年(一八五五年)、野山獄に収監されていた吉田松陰は、元服を迎えた従弟・玉木彦介のために、士として生きる七つの心得を書き残した。『士規七則』である。
そこには、忠孝を人間の根本に置くこと、義を勇によって実行すること、質実を尊ぶこと、師や友との交わりを慎むこと、書物を通じて古人に学ぶこと、そして「死して後已む」という生涯の規範が簡潔に示されている。
その四年後、処刑を目前にした松陰が、門下生や同志へ遺した文章が『留魂録』である。
松陰は幕府による取り調べの経緯を振り返り、獄中で知り得た人物を同志たちに紹介し、尊王攘夷の志と将来の事業を後進へ託した。なかでも、自らの三十年の生涯を春夏秋冬の巡りに重ね、人にはそれぞれ固有の実りの時があると説いた一節は、松陰の死生観をよく表している。
『留魂録』の自筆本は二通作られたと伝えられる。その一通は、同じ牢にいた沼崎吉五郎へ託された。沼崎は流刑先の三宅島でも自筆本を守り続け、松陰の刑死から十七年後の明治九年、門下生の野村靖へ届けた。松陰が文章に託した「志の継承」は、その文章自体の伝来によっても示されることとなった。
本書では、吉田松陰の生涯、人物像、至誠・立志・士道・学問と実行・尊王攘夷などの思想を解説したうえで、『士規七則』『留魂録』の成立事情と内容を紹介する。
現代語訳本文には、人名、故事、制度、古典語について短い注釈を加えた。吉田松陰の著作を初めて読む人にも、本文の流れと歴史的背景が理解しやすい一冊である。
【収録内容】
概説
吉田松陰の生涯
吉田松陰の人物像
吉田松陰の思想
『士規七則』について
『留魂録』について
『士規七則』現代語訳
『留魂録』現代語訳
主要参考文献
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