玉くしげ: 現代語訳版・解説つき

古道から政道へ。国学者・本居宣長、現実政治を論ず。
『玉くしげ』『秘本玉くしげ』二篇を現代語訳
『古事記伝』で知られる国学者・本居宣長は、政治をどのように考えていたのか。
『玉くしげ』と『秘本玉くしげ』は、天明七年(一七八七年)、宣長が紀州藩の為政者に向けてまとめた政道論に由来する。現在『玉くしげ』と呼ばれる一篇は、政治を考える根本の思想を説いた「別巻」にあたり、のちに『秘本玉くしげ』として刊行された上下二巻は、領国統治の具体的な問題を論じた本巻にあたる。理念と実務を二篇に分け、一組として政治を論じた著作である。
『玉くしげ』では、神代から伝わる古道を基礎として、皇統、政道、人の知恵の限界、時代の変化、神の御はからいを論じる。上古の姿をそのまま現在へ移すことを求めるのではなく、世の有様を見極め、受け継がれてきた秩序を踏まえながら、その時々の事情に応じて政治を行う道を説いてゆく。
『秘本玉くしげ』では、その思想が領国統治の具体的な問題へ向けられる。先規と新法、財政、民衆の暮らし、役人の統制、武士のあり方、祭祀などを取り上げ、為政者の処置が領民の生活や国の風儀へどのような影響を及ぼすかを考察する。制度を改める際の慎重さ、民衆が困窮する原因を政治の側から調べる姿勢など、宣長の現実を見る眼が随所に現れている。
古典の言葉を究めた本居宣長が、現実の政治と行政を前に何を考えたのか。本書では二篇を一冊に収め、論理の流れ、対比、列挙、断定の強さを尊重しながら現代語へ改めた。巻頭には宣長の生涯と思想、両書の成立事情と位置づけを理解するための解説を収録している。
古道から政道へ。
本居宣長の政治思想を、その原理と実際の両面から読む一冊。
【構成】
解説
第一部 本居宣長の生涯
第二部 本居宣長の思想
第三部 『玉くしげ』『秘本玉くしげ』について
凡例
玉くしげ
秘本玉くしげ
上巻
第一条~第七条
下巻
第八条~第二十五条
主要参考文献
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